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きまぐれ楽曲解説
CD-BOX企画は、「魔神英雄伝ワタル創世伝記(めいきんぐふぁんぶっく)」掲載
「スペシャル座談会in 牧水苑」取材後からビクターに提案していました。
そしてワタルファン夢の企画がついに本日9月24日(水)現実になりました。
これを記念して、全90曲のエピソードをメッセージしたいと思っています。
資料を地図の代りに、25年間の追憶の旅を楽しみながら、可能な限り全90曲の
エピソードの旅を歩き続けたいと思っています。
旅の途中で寄り道の多い旅になりそうで、順番通りの旅になるか分りません。
最後の旅「いつも心に太陽を」まで、一緒に旅を楽しんで頂けたら幸いです。

Step 1曲目
肩書/日本テレビ系アニメ「魔神英雄伝ワタル」オープニング・テーマ
作詩作曲/立花 瞳 編曲/志熊研三 歌/a・chi-a・chi
初出/KV-3086-A (アナログのシングル盤レコード番号、A=A面)
発売日/1988年(平成10年)5月21日発売
名実共にワタル25周年記念CD-BOX収録全90曲中一番の名盤名曲です。
正式曲名は、全部大文字のSTEPではなくて、Stepが正しい曲名表示です。
a・chi-a・chi 16歳16日1988年2月27日(土)初レコーディング曲です。
当時の詳細は、本ホームページ内「スペシャル座談会in牧水苑」ご参照。
1988年頃のレコード業界は、レコードがアナログからCDへ移行中の時代。
従って、魔神英雄伝ワタルのシングルは、アナログのシングル盤(S)、カセット(CT)、CDのシングル盤(CDS)の3種類が同時発売されました。
Sは、ドーナツのようにシングル盤の真ん中に穴が開いていたのでドーナツ盤とも呼ばれ、レコードプレーヤーのターンテーブルに専用アダプターを付けて針を落として聴いていました。
現在のシングル盤は、アルバムと同じ直径12㎝CDですが、当時のCDの
シングル盤は直径8㎝CDSでした。
30歳より若い世代には全く馴染がないので文字で説明すると分り難いのですが、魔神英雄伝ワタルが放送された1988年頃小学生以上の世代には普通でした。
各々の商品の大きさや形態が異なる為、3種類のジャケットを作りました。
但し、各々の商品形態は異なりますが同じ絵柄を使用しデザイン処理です。
シングル「Step」のジャケット表紙は、キャラクターデザインの芦田豊雄
先生描き下ろしのイラスト。
その後、超魔神英雄伝ワタルに至るまでのCDジャケット表紙イラストは、
基本的に芦田豊雄先生描き下ろしです。
毎回無理な注文にも関らず、先生は楽しみながら描かれていたと思います。
先生の告別式の日、祭壇に一番近い所にイラスト原画が沢山飾られており、
最後までワタル作品が大好きだった先生の熱い想いが伝わって来ました。
本ホームページ内CDジャケットギャラリーをぜひお楽しみ下さい。
a・chi-a・chi アドベンチャー 2曲目
肩書/日本テレビ系アニメ「魔神英雄伝ワタル」エンディング・テーマ
作詩/伊藤アキラ 作曲/池 毅 編曲/志熊研三 歌/a・chi-a・chi
初出/KV-3086-B (アナログのシングル盤レコード番号、B=B面)
発売日/1988年(平成10年)5月21日発売
「魔神英雄伝ワタル」の音楽のすべてはOP「Step」から始まりました。
そして、「Step」の相棒となる楽曲が「a・chi-a・chiアドベンチャー」です。
「Step」「a・chi-a・chiアドベンチャー」は、それ以降のBGM、OP、ED、
キャラクターソングの音楽の源であり原点なのです。
「a・chi-a・chiアドベンチャー」は「曲先」の楽曲です。
「曲先」とは音楽業界用語で、楽曲を作る時に最初に曲を作る事です。
洋楽的なリズムとノリの良い楽曲が主流になってからは、音楽業界では
「曲先」が主流になり「詞先」は殆どなくなりました。
映画やドラマやアニメなどの主題歌やCMソングなど仕掛けのある楽曲は、
多くがコンペで選ばれた楽曲に後から詞をはめ込みます(作詞します)。
因みに、最近のAKB48の新曲のコンペには毎回1,000曲位集まるそうです。
1,000曲集まっても最終的には選ばれるのは1曲なので競争は熾烈ですね。
尚、「曲先」はコンペでも作詞がコンペになるケースは殆どありません。
「Step」は、立花瞳がシンガーソングライターデビューを目指して自分が
歌う為に作った楽曲です。
編曲家の志熊研三から薦められて試聴した立花瞳のデモテープ楽曲の中から、作品の設定や世界観とa・chi-a・chiの歌唱や声質などに一番合っている楽曲
を偶然に発見したのです。
メロディーはそのままですが、歌詞はワタルの設定や世界観に合せる為に、
若干手直しをしています。
従って楽曲が作られた経緯から、「Step」は年齢高めの狙いの楽曲なのです。
番組メインターゲットは10歳(主人公ワタルは10歳小学4年生)前後です。
10歳の少年少女達の心と感性は、大人が思うよりも十分大人で豊かです。
「Step」の歌詞とメロディーは、十分子供達の心に響くと思いました。
一方EDテーマは、幼い子供達の心にも届き易いように年齢低めの分り易い
楽曲作りを強く意識しました。
通常主題歌やCMなど仕掛けのある楽曲を発注する場合はコンペが殆どです。しかし今回はOPとEDのアニメ映像を作る日程上、時間的な余裕がなく、
曲先の作曲は池毅決め打ち、作詞も伊藤アキラ決め打ちにしました。
そして期待を超えた「a・chi-a・chiアドベンチャー」が誕生しました。
1988年(昭和63年)
2月6日(日)14時 ビクター青山スタジオロビー 池毅 ED作曲打合せ
a・chi-a・chiのデモ録音を聴きながら、ワタルの設定や世界観など伝える。
1984年大ヒット曲の中原めいこ「君たちキウイ・パパイア・マンゴーだね」のような分り易いノリの良い明るい曲を心の中ではイメージしていました。
2月10日(水)13時 原宿カフェピアザ 池毅 ED作曲打合せ
僅か4日間で作った曲を聴いて期待以上の曲の出来上りで即座に採用決定。
当時のビクター音楽産業(株)本社は、原宿ピアザビルの4階~6階。
2月10日(水)14時 原宿カフェピアザ 伊藤アキラ ED作詞打合せ
打合せ直前に決定した曲のデモテープを聴きながら、老神温泉牧水苑での
a・chi-a・chiとの出会いのエピソードや作品の設定や世界観などを伝える。
2月15日(月)15時 銀座伊藤アキラ事務所 ED作詞打合せ
歌詞は手直しの必要のない非常に完成度の高い歌詞なので即座に採用決定。
後日、双子のイメージのある曲名からユニット名が決定しました!
アーティスト名a・chi-a・chi誕生!!の瞬間でした。
詳細は「魔神英雄伝ワタル創世伝記」ご参照下さい。
「a・chi-a・chiアドベンチャー」は伊藤アキラの遊び心から生れた歌詞です。
a・chi-a・chiとの出会いのエピソードや作品の設定や世界観を伝えたら、
こんな素晴らしい遊び心いっぱいのユーモアのある歌詞が出来上りました。
伊藤アキラとの打合せの時は、いつもネクタイスーツ姿で飄々としていて
全然作詞家のイメージじゃないのです。
どこからこんなユーモアのある歌詞が生れて来るのでしょうか!?
歌謡曲、コミックソング、CMソング、アニメソングなど幅広く手掛けて、TVCM「♪~この木なんの木気になる木~(日立の樹」
「♪~やめられない とまらない かっぱえびせん(カルビー)」
「♪~パッ!とさいでりあ(新興産業)」 などは特に有名です。

See you again 3曲目
初出/VICL-11 魔神英雄伝ワタル音楽篇Ⅱ 1曲目(CDアルバム)
発売日/1990年(平成2年)2月21日
発売時税込定価 CD 3,000円 カセット2,630円 (消費税3%)
新録音ヴォーカル6曲録音日 1989年(平成1年)12月7日~27日
「魔神英雄伝ワタル」1年間放送中のレコード発売は、僅か主題歌シングル1枚とサントラアルバム「音楽篇」1枚のみでした。
番組開始当初の視聴率は低迷していたが、ワタルのライバル虎王登場の頃からうなぎ登りに視聴率が上って来ました。
その結果、メインスポンサータカラの主力商品プラクションは、1,000万個を超える売上となり、1988年玩具業界3大ヒット商品の一つになっています。
しかし番組開始当初の低視聴率で後番組は「魔動王グランゾート」に決定済。
「魔神英雄伝ワタル2」の復活は、ワタル放映終了から1年後でした。
「魔動王グランゾート」の後枠で1990年3月9日(金)放映開始です。
春番組改編は4月1日以降ですが、通常より1ヶ月早い放映スタートでした。
「ワタル」は最初から1年間放送予定の為、4月放送開始前に最後の話数まで
1年間分のBGMを既に録音済でした。
そして、「音楽篇」未収録BGMが沢山残っていたので、「ワタル2」放送開始前に「音楽篇Ⅱ」を発売する事にしました。
1枚目の「音楽篇」から1年8ヶ月ぶりの「音楽篇Ⅱ」の発売になります。
「音楽篇Ⅱ」は「音楽篇」未収録BGM+新録音ヴォーカル6曲収録です。
主人公ワタル田中真弓が「Step」を歌い、ヒミコ林原めぐみが「a・chi-a・chi
アドベンチャー」を歌う「ワタル2」祝復活のアルバムになりました。
「ワタル2」復活を待望するファンへのメッセージソングa·chi-a·chi の
「See you again」でアルバムは始まります。
録音日 1989年12月17日(日)13時~17時 テイク・ワン・スタジオ
Step 4曲目 歌:田中真弓
初出/VICL-11 魔神英雄伝ワタル音楽篇Ⅱ 2曲目(CDアルバム)
a・chi-a・chi「Step」2 Mixオリジナルカラオケでレコーディングしました。
聴き方によってはイメージが重なって、歌っているのは主人公ワタルだったり
声優田中真弓だったり、両方楽しめます。
「Step」のカバーですが、「ワタル」では田中真弓初のレコーディングです。
将来、多くのワタルのキャラソンを歌ったり、田中真弓オリジナルアルバムを
発売したり、多くのミュージカル仕立てのイベントを開催したりする事になる
とは誰が予想したでしょうか!?
1988年発売「音楽篇」のLPは発売されましたが、1990年発売「音楽篇Ⅱ」
のLPは発売されませんでした。
レコード業界では、「音楽篇」と「音楽篇Ⅱ」の2年間に、市場の商品形態に
大きな変化があった事を物語っています。
ジャケットサイズはLP(30㎝×30㎝)、CD(12㎝×12㎝)です。
描き下ろしイラストの魅力を最大限に生かせるLPは大変貴重でした。
ジャケットイラストでイメージしながら音楽を聴いたり、LPジャケットを
部屋に飾って眺めるのもアニメファンの密かな楽しみだったと思います。
一方では、1980年代のレコード業界はアイドル歌手全盛の黄金時代でした。
好きなアイドル写真のLPジャケットはアイドルファンには大切な宝物です。
そして、「魔神英雄伝ワタル」は「ワタル2」復活以降、多くのアイドルキャラ
と声優のW人気で10年間にも渡って様々なマルチメディア展開を開始します。
録音日 1989年12月14日(木)13時~15時 サウンド・デザイン
a・chi-a・chi アドベンチャー 5曲目 歌:林原めぐみ
初出/VICL-11 魔神英雄伝ワタル音楽篇Ⅱ 3曲目(CDアルバム)
「a・chi-a・chiアドベンチャー」2Mixオリジナルカラオケでレコーディング。
ヒミコのキャラクターソングではない、声優林原めぐみご自身の声と歌い方で
歌っている唯一のワタルソングになりました。
林原めぐみの声がa·chi-a·chiの姉の永(のり)の声質に少し似ているので、
a·chi-a·chiが歌っているのかと一瞬錯覚するような部分もあります。
a·chi-a·chiは、永と久が同じメロディーをユニゾンで同じバランスで歌って
いるのですが、永の声質が立っているので永の声が少し抜けて聴こえます。
永の声が少し抜けて聴こえる感じが、2人の息が合って1人で歌っているように聴こえる感じが、1人で同じメロディーを2回重ねて録音するのとは異なって
聴こえる感じが、a・chi-a・chiらしさでもあるのです。
林原めぐみの「a・chi-a・chiアドベンチャー」が収録された「音楽篇Ⅱ」は、
田中真弓の「Step」も収録され「ワタル2」祝復活アルバムになりました。
録音日 1989年12月7日(木)13時~15時 ディスコメイトスタジオ
初出/VICL-11 魔神英雄伝ワタル音楽篇Ⅱ 4曲目(CDアルバム)
「魔神英雄伝ワタル」初めてのキャラクターソングです。
初めてとなれば、やはり言葉やメロディーやアレンジで遊べる要素が一番多い
ヒミコが真っ先に思い浮かびました。
ヒミコの声で歌いたいという林原めぐみのキャラソンに興味がありました。
遊び心のある言葉という意味では、伊藤アキラ作詞というのも考えました。
が、やはりワタルの設定や世界観を一番理解しキャラクターに魂を吹き込んだ
井内秀治監督の登場です。
ワタルの作品の演出やBGMメニュー打合せを通して、監督には、伊藤アキラと
共通するユーモアの感性を持っていると感じていました。
1990年3月放映開始「ワタル2」の制作で超多忙にも拘らず、ワタル初めての
作詞を快く引き受けて頂きました。
そして作曲は、「a•chi-a•chiアドベンチャー」で1年間お耳に馴染んだ池毅の
遊び心のあるメロディーです。
どこを切っても同じ顔のヒミコ飴の底抜けに明るいキャラソンになりました。
ヒミコが画面からそのまんま飛び出して来たような台詞入りの楽しい歌です。
アフレコ台本の悪戯書きや台本にないアドリブの台詞など等のエピソードは、
イベントの田中真弓のお茶目なトークの定番です。
お約束事の水戸黄門の印籠のようなもので何度聞いても痛快で楽しいのです。
当時の田中真弓のお茶目心が林原めぐみにも伝染していたのでしょうか!?
「HI・MI・KO」のレコーディングでは、アドリブが如何なく発揮されました。
「だって だって」が「だって だって だって」に、「あっという間にタヌキ
さん」に合の手が入って「あっという間にタヌキさん ポン」になったり!!
ジャケットには元のままの歌詞が掲載されていますが、アドリブの歌がOKテイク
になっています。
「譜割り」が変ったり「詞」の言葉が増えたりしましたが、スピード感があって
ノリが良くてユーモアがあって楽しさが倍増しました!!
林原めぐみの頭の回転の速さと音楽センスの良さを感じた1曲です。
尚、林原めぐみの1991年キングレコードスターチャイルド正式デビュー後は、
キャラソンは林原めぐみ名義ではなくキャラクター名義になっており、ワタルも
例外ではなくワタル後半は忍部ヒミコ(林原めぐみ)名義になっています。
録音日 1989年12月15日(金)17時~19時 スカイ・スタジオ
HI・MI・KO 6曲目
Mr. Excuse Man 7曲目
初出/VICL-11 魔神英雄伝ワタル音楽篇Ⅱ 5曲目(CDアルバム)
お馴染の「エクスキューズミー」で登場する「EXマン」のキャラソンです。
確か「魔神英雄伝ワタル」第2話から場面の転換や解説などで登場しました。
手塚治虫の漫画のギャグキャラ「ヒョウタンツギ」のイメージとダブリました。
番組エンディングクレジットでは、龍田直樹他2人の名前が表記されています。
話数によっては他2人の名前が異なっていましたが、龍田直樹、柴田由美子、
伊倉一恵の3人でレコーディングしました。
スケジュール上See you againと同日に、伊倉一恵パート先行レコーディング。
龍田直樹の素顔のイメージから生れたギャグキャラと思わせてしまうような
愉快さが…でも現実は、オーディションで選ばれたとは思いますが!?!?
前半ソロパートの龍田直樹の雰囲気あるおとぼけ感が楽しいキャラソンです。
作詞/伊藤アキラ、作曲/池毅の遊び心のある名コンビの楽曲です。
録音日 1989年
12月24日(日)13時~18時 フリーダム 伊倉一恵(+ See you again )
12月26日(火)13時~18時 青葉台スタジオ 龍田直樹、柴田由美子
初出/VICL-11 魔神英雄伝ワタル音楽篇Ⅱ 17曲目(CDアルバム)
ワタルのライバル「虎王」登場の頃から、当初は想定外の女子中高生の人気も
加わり、うなぎ登りに視聴率が上り熱狂的な人気の中で「魔神英雄伝ワタル」
は終了しました。
「音楽篇Ⅱ」は「音楽篇」未収録BGM+ワタル田中真弓+ヒミコ林原めぐみ+
虎王伊倉一恵など新録音の歌を収録した「ワタル2」祝復活アルバムです。
「音楽篇Ⅱ」は「ワタル2」復活を待望するワタルファンへのメッセージソング
a・chi-a・chiの「See you again」で始まり、虎王伊倉一恵の「See you again」
で終ります。
a・chi-a・chi「See you again」のカバーですが、虎王が「See you again~♪~」
と切なく歌い上げるキャラソンの側面も兼ね備えています。
ワタルファンのキャラクターへの熱い想いや心の揺れなどを重ね合せながら、
女子中高生の入学や卒業の季節のおセンチな乙女心を意識して作りました。
「魔神英雄伝ワタル」主題歌デビューのa・chi-a・chiも高校卒業の年でした。
録音日 1989年12月24日(日)13時~18時 フリーダム 伊倉一恵
See you again 8曲目 歌:伊倉一恵






